コスト削減・最適化は、経営戦略上の“守り”の戦略として非常に重要な手段の一つですが、その実行には客観的な視点と緻密な準備・分析が必要であり、各社・各費目で状況も異なるため一筋縄ではいかないケースが多く存在します。(“攻め”の戦略は、新規事業やM&A等々)
弊社は、これまで数多くの企業のコスト削減・最適化の余地特定・戦略策定・実行実現支援を行ってまいりました。その中でありがちなコスト削減・最適化余地が大きいパターンと、実行体制等で陥りがちな落とし穴等を知見として保有しており、その一部をご紹介いたします。
コスト削減において、繰り返し“最適化”と記載しているのは、本取組を行う上で最も重要な考え方を伝えたいためです。“削減“だけを目的にすると、一時的な金額の低減のみとなり数年後にはリバウンドを起こします。弊社としては、ビジネスを行う上で顧客へ適切な価格で提供を行うために、最適なコスト水準に是正するという考え方で本取組を支援することで、持続的なコスト低減を実現いたします。
本コラムでは、コスト削減・最適化を成功に導くための、ありがちな余地が大きいパターンと、実行体制等での落とし穴からの教訓、コスト削減・最適化のあるべきプロセス全体像を具体的に提案します。これにより、読者の皆様がコストの最適化を効果的に活用し、筋肉質な経営基盤構築のヒントを得ていただければ幸いです。
(※本来、コスト削減・最適化は、直接材(原材料等)と間接材(経費等)に大別し進めていくが、本コラムでは双方に共通し当てはまる内容としています。)
第一章
ありがちなコスト重な体制・遂行における落とし穴:ケースから学ぶ
コスト削減・最適化(費用、経費等)の成否は、現状の調達状況や市況等との分析からの余地特定の精緻度、遂行体制・準備の綿密さに大きく依存します。ここでは、ありがちなケースとあるべき姿を比較することで、コスト削減・最適化を成功させるための具体的なポイントを探ります。
ありがちなコスト重な体制・社内構造とあるべき姿
ある製薬会社A社では、トップラインを改善しても思ったように利益がついてこず、経営企画部にはコスト改善を早急に行うようにという命が出されるという状況にありました。しかし、これまでコスト改善はやってきたものの、体系だって行っておらず、根本的な原因が不明瞭なままでいました。
そこで我々がご支援を行わせていただいた結果、(数多くの企業様をご支援していく中で共通して)上記のような4つのコスト構造割高要因を抱えていたことが大きな要因であることが判明してきました。
例えば、間接材(経費等の直接ビジネスに影響を及ぼさない費用)では原材料は調達部が管理するものの、明確な担当部署がいないケースも多く、管理が放置されているケースが多いです。
また、現状のサプライヤーとの関係性や、変更は煩雑である・本業に影響があるのではという先入観的な懸念から抵抗・忌避されるケース。
もしコスト改善を実行しようとなっても、体系だったアプローチを保有していなかったり、担当者がコスト改善・削減に対するインセンティブを適切に持っていない場合等で、うまく遂行できないケースも多く存在しています。
このような要因を一つでも抱えている場合は、コスト構造の改善余地がある可能性が非常に高く、そういった企業様に対して我々は数多くのコスト削減・最適化支援を行ってまいりました。
コスト削減・最適化の遂行時に陥りがちな落とし穴とあるべき姿
こちらでは、コスト削減・最適化プロジェクトを遂行していく際に陥りがちな落とし穴を、ありがちなパターンとあるべき状態を比較することで正しく理解していきます。
大きく、動機付けとコスト削減・最適化の方法・アプローチにおいて落とし穴が存在しています。
まずありがちなパターンとしては、コスト削減・最適化のインセンティブがなく、アプローチも雑に全体に対して5%等のきちんとした根拠のない水準をその場限りで実施して終了となるケースです。この場合だと、コスト削減を達成するとかえって「これまでなぜできなかったのか?」という批判を受けるという矛盾が発生するケースも少なくないです。また、各費目に対して適切なアプローチをとらずにざっくりと数%削減すること、という雑な目標水準だとサプライヤーにその場限りのお願いを行い借りを作ることもあり、次年度以降かえってリバウンドが起こりコスト増大に陥る等もありがちです。
そこで、あるべき姿としては、「経営層からのトップダウンでの宣言」「過去は問わずこれから最適化していくことを正とする」「各費目の実態に応じた適切なアプローチで最大限の削減・最適化を実施」を行うことです。これにより、前者として削減・最適化余地の最大化という同じ方向性を向き、コスト削減・最適化の実現のインセンティブも生まれるという好循環が作り出せます。特に、経営層を巻き込み、トップダウンでの肝いりプロジェクトとすることが成功への近道となることも多々あります。
第二章
コスト費用経費の削減・最適化を成功に導くポイント
コスト削減・最適化の成功の鍵は以下の点にあります。
- 過去の踏襲・聖域化を打破する強い推進力
これまでの使いやすさ、コスト削減を適切に行ってこなかった過去は問わない、今後最適化していくという方向性を、トップダウンで宣言。 - 各費目に適した丁寧なアプローチ
とにかくサプライヤーにお願いをし、論理的な根拠なしに数%の削減を実施するのではなく、各費目に適した余地の分析・綿密なサプライヤーとの論理武装を行った交渉を実施。 - 上記を実現するための体系的なプロセス
上記2点を実現するためには体系的なコスト削減・最適化のプロセスが存在。それに従って再現性のある取り組みを実施。 - 適切に外部も活用
体系的なプロセスを保有し、成功実績も持つコンサルティングファームやアドバイザーの活用により、検討スピードや分析・実現の精度を向上。
これらのポイントを押さえることで、コスト削減・最適化の成功確率を大きく高めることが可能です。次章では、特にコスト削減・最適化の成功に導く体系的な遂行プロセスについて解説します。
第三章
コスト削減・最適化の効果を最大化する遂行プロセスの全体像
(余地特定・戦略策定~実行・実現~ノウハウ整備)
前述のとおり、コスト削減・最適化の成功(効果の最大化)には、体系的なプロセスを用いて遂行することにより、サプライヤーとの論理武装を行ったうえで効果の最大化を実現することが可能です。逆に体系的なプロセスを踏まないと、サプライヤーからの押し返しに耐えきれなかったり、実施する担当者によって効果の実現度に大きく乖離が生じたりと、効果の最大化を実現できなくなってしまいます。
①交渉方針策定:削減・最適化余地の算定、アクションプランのすり合わせ
まず交渉方針を策定することが肝要です。内容としては以下の3つが大きくあげられます。
- 優先すべき対象費目の特定
調達規模の大きさや、削減実現難易度の低さ等から、費目の全体像を把握し優先すべき削減・最適化対象費目を特定・決定することが重要です。限りあるリソースを用いて、効率よく最大限の効果を実現するためにはこういった方針決めが肝要です。 - 削減余地の試算
各費目の調達状況のヒアリング、各費目に応じた最適化アプローチを特定し、それぞれの削減・最適化余地を試算することが重要です。ここでは最大限の効果と、最低限実現すべき効果の2つを試算することが効果的です。 - 交渉担当者への説明・アクションプラン策定
上記の優先度策定や削減余地を基に、効果の実現までのアクションプランを策定し、交渉担当者とともにすり合わせを実施し、交渉等の実現遂行に向けた方向性を決定します
②交渉準備:交渉体制・戦略・ツールの整備
アクションプランを実行するにあたって、交渉の準備を綿密に行うことが非常に重要となります。ここで特に準備すべきことは以下の3つとなります。
- 交渉体制の確立
効果を最大化するために社として一丸となった交渉体制を構築することが重要です。逆にありがちなケースとしては、交渉担当者だけがサプライヤーと交渉を行うだけとなり、他部署等へサプライヤーから圧力をかけられ社内で効果実現を邪魔する動きが発生することもあり得ます。 - 交渉戦略の策定
前述の各費目でのアプローチ、余地算出や、サプライヤーとの関係性から、効果を最大化するための戦略を策定します。例えば、交渉のネタとなる論理武装をどのようなものを用い、交渉をどう進めていくのか等を策定します。 - 交渉ツールの準備
実交渉を進めていく前に、想定問答集やモニタリングのためのツールを綿密に準備し、粘り強い交渉のためのち密な準備を行っておきます。
③実交渉:効果最大化の実現まで粘り強い交渉
実交渉は様々なイレギュラーケースも起こりえます。その際にもタイムリーに最適な解決方法を導き出し、粘り強い交渉により効果を最大化することが重要です。
そのためには、事前にロールプレイングを行うことや、再度交渉ネタとなる論理的な交渉材料の整理等を行っていきます。
一度の交渉ですべての効果が実現するということは多くはなく、数回の交渉によって最大効果を導き出していきます。そのために都度戦略を練り直していきながら交渉を進めていきます。
④整備:一度きりで終わらせない、再現性を持った継続的な効果の担保
③までで効果を実現できたとします。しかし、その効果を一時的なものにとどめず、再現性のあるノウハウ整備を行うことで、今後も継続的にコスト削減・最適化を行える体制を構築することが重要です。ここまで綿密に支援することが弊社としてのコスト削減・最適化サービスとさせていただいています。
まとめ
コスト削減・最適化を成功に導くために(プロセス編)
コスト削減・最適化は、単なる費用の削減ではなく、持続可能な「最適化」を実現することが真の目的です。この取り組みには、綿密な準備と各費目に応じた丁寧なアプローチが必要不可欠です。適切な手法を用いなければ、一時的な削減効果はリバウンドし、結果的にコストの増大を招くリスクがあります。
弊社では、コスト削減・最適化の成功を確実にするため、余地特定から戦略策定、実行支援、そして再現性のあるノウハウ整備まで一貫してサポートいたします。特に、各費目に応じた緻密な分析とサプライヤーとの論理的交渉により、効果を最大化するプロセスを構築します。また、成果を一過性で終わらせず、長期的な最適化を可能にするノウハウの整備を行い、継続的な経営改善を支援いたします。
コスト削減・最適化において持続可能な効果を追求したい企業様は、ぜひ弊社の支援をご検討ください。豊富な実績と体系的なアプローチにより、御社の競争力強化を実現いたします。
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コスト削減・最適化の秘訣 ~①効果の最大化につながるプロセスの全体像~|PROFFIT
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