本記事では、会議の生産性を上げるために重要な、会議の3つの位置付けの理解と目的の設定について、ご紹介します。
会議は意思決定を左右する重要な場であります。
一方で、「無駄な会議が多い」「いつまで経っても意思決定がされない」など、ほとんどの企業で会議に関する課題が散見されていることだと思います。
本記事では「会議」に関する生産性を高めるためのポイントを紹介します。
会議の生産性とは?
「会議の生産性を上げる」というと、「会議の時間を短くする」という短絡的な解決方法がよく挙がりますが、単に時間を短くすれば生産性が上がるわけではありません。
例えば、アイデアを生み出す会議や、生み出したアイデアをブラッシュアップする会議などは単に時間を短くするという考え方よりも、成果をできるだけ生み出すという点にフォーカスすべきです。
会議の目的を明確にする
会議を行うにあたって、よく「議題(アジェンダ)」が使われます。
例えば以下のようなものです。
- 5S活動の進め方
- 市場調査結果について
- 課題に対する方策の検討 等
これらの議題を使ってもよいですが、これだけでは会議の目的が曖昧ですので、この会議を通して、何を実現するのかという「目的」(または「ゴール」や「成果」)を明確に定められていません。
目的を明確にするだけでも、参加者の意識や争点が定まり、会議の生産性は大幅に改善します。
会議の3つの位置付け
会議の目的を定めるにあたっては、会議の3つの位置付けを理解しておくことが有益です。
以下3つの位置付けは、会議としては違う性質であるので、一緒くたにして「会議とはこうあるべきだ」というのはやや強引です。
(3つの位置づけ)
①報告
②議論
③意思決定
①報告
報告のための会議の場合、結論とその根拠を共有する場となります。
その場合、多くの出席者に効率的に報告できることが望ましく、会社の文化などに応じ、例えば、事前に資料の共有を行い、事前に読み込んでおいてもらうことも、効率を上げる一つの方法になります。
また、誰が見ても理解できるように、報告のフォーマットも可能な限り統一しておくことも有用です。
②議論
議論のための会議の場合、論点に対し意見を出し、仮説や解決策等をブラッシュアップしていく場となります。
また、この会議は、議題提供者にとってはインプットをもらう場であり、現状の案をどのようにブラッシュアップしていくべきなのか、不足している論点や検証点はどこにあるのかを探っていく場にもなります。
そのため、あえて対立意見を出したり(促したり)、極端な発言をし、意見を引き出すことも有益です。
また、純粋なアイデア出しの場として活用する場合、その場の思い付きに留まらないために、事前に参加者にスプレッドシートなどを共有して、自身のアイデアを入力してもらうことも有効です。
③意思決定
意思決定のための会議の場合、最終的な答え、方向性を決める場となります。
それまでに十分議論されている「内容」及び「メンバー」であれば問題ありませんが、そうでない場合は選択肢が必要となってきます。
よく「XXXと理由で、YYYは重要になるのでAという方向性で進めたいと考えていますが、よろしいでしょうか?」という伺いを立てることがあります。
但し、これは、意思決定場においては生産的なやり方とは言えません。
「今行える選択肢としてはAとBとCがあり、それらの条件はこうなっており、Aがベストだと考えていますが、よろしいでしょうか?」と選択肢を提示していくことが重要になります。
以上、会議の位置付けを明確にすることで、会議の生産性が大幅に改善されると思います。
それら位置付けを定義したうえで、会議の目的を、議題に代わって(または議題と併せて)提示していくことがポイントになってきます。
<会議の目的例>
(報告のための会議)
- 市場調査結果についての共通認識の形成
- 今期のKPI達成状況と浮上した課題の共有
(議論のための会議)
- M&A案件におけるシナジー叩き台に対する仮説出し
- 新規事業アイデアリストに対する意見出し
(意思決定のための会議)
- リサーチ会社へ発注する調査内容の最終確認
- XXX投資事案の投資方向性の決定
上記では「話し合う領域」ではなく、「何をするか」が記載されています。
このように会議の目的を具体的に明記するだけでも、会議の生産性は大幅に改善します。
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