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新規事業の進め方 アイデア導出フレームワーク <5つのアプローチ>

本記事では、戦略コンサルティングメソッドとして、新規事業のアイデア導出のアプローチについてご紹介します。

事業アイデア出しは、新規事業の立案プロセスの中でも最も難しく、最も重要であると考えています。企業によっては、ビジネスプランコンテストを開き、社内で広く新規事業の種を拾ってきている例もありますが、上手くいっている会社は限られています。

アイデア導出のアプローチに正解はありませんし、どれがうまくいくかはその時の企業や、担当者のおかれている環境や知識、仮説によるとしか言えません。しかしながら、事業アイデアを創出する方法論は確立されつつありますので、上手く活用していきたいところです。

本記事では、フレームワークとして、まずは新規事業のアイデア出しにおける5つのアプローチをご紹介します。

(フレームワーク) アイデア導出の5つのアプローチ

アイデア導出のアプローチとして、「①ニーズ起点(顧客)」、「②強み起点(自社) 」、「③他社起点(競合)」、「④PEST起点」、「⑤バリューチェーン起点」の5つを紹介します。

このうち1つを採用するということではなく、全ての観点から一度検討いただきたいと考えています。なぜ1つではなく、複数の観点から検討する必要があるのかというと、まず良いアイデアはどこから降ってくるかわからないということが一つ目の理由です。仮にランダムに1つのアプローチを採用したときに、いいアイデアが出てくるかどうかは、その時の担当者や知識や仮説によってしまうからです。

また、今回の読者はスタートアップ企業ではなく、すでに事業を確立している企業の責任者・担当者を想定しております。そのため、良い事業アイデアを導出した後に、社内を説得する必要があります。一般的に役員や上司は、そのアイデアが筋がいいかを気にするとともに、「どうやってこのアイデアを出したか」、「他にどのようなアイデアを出したか」を気にします。複数の観点から検討しておくことで、それらの突っ込みに対応できることが2つ目の理由です。

①ニーズ起点(顧客)

本アプローチでは既存顧客、または想定顧客のニーズを解像度高く特定し、そのニーズに合致する事業アイデアを検討するというものです。

但し、特に工夫もなく、ニーズを特定しようとすると「価格を安く」だとか「納期を短く」など、普遍的でかつ、抽象的なものが出てきてしまう可能性があります。そのような抽象的な検討に留まらないために、分析の粒度を高め、解像度を高めていく必要があります。

具体的には、例えば重要購買要因(KBF)や、購買プロセス、カスタマージャーニーの観点から要素分解しつつ、消費者の心理や、ペインポイントを浮かび上がらせ、新たな事業アイデアに繋げていくことが有効です。

②強み起点(自社)

本アプローチは、①のニーズ起点のアプローチとは逆に自社の強み起点に考えるというものです。自社の強み、具体的には持っている資産(アセット)や能力(ケイパビリティ)を活かし、どのような事業アイデアが考えられるかを検討していきます。

有名な事例としては富士フィルムが、自社技術を活かしてカメラ事業からヘルスケア事業に進出したことも、強み起点のアプローチといえます。

③他社起点(競合)

3つ目のアプローチは、他社事例を参考にするというものである。このように記載すると、「なんだ他社真似」かと思われるかもしれませんが、他社が事業機会を見出しているのであれば、それを活用しないすべはありません。後追いでも、自社がその波に乗れて、一定程度優位性を築ける可能性があるならば、検討する価値はあります。

④PEST起点

4つ目のアプローチは、いわゆるPEST (Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))の観点から着眼して、事業アイデアを発想する方法であります。

具体的な検討の仕方としては、それぞれの観点でどのようなトレンドや社会課題があるのかを一覧化し、それぞれの要素で自社にどのように繋げられるのかを考えていくものです。その際のポイントは自社の既存事業に関連したトレンドや社会課題だけでなく、周辺領域まで含めて一覧化していくことがポイントになります。新規事業を考えるにあたり、如何に周辺領域まで視野を広げられるかが、幅広い事業アイデアを生み出すためのポイントとなります。

⑤バリューチェーン起点

5つめはバリューチェーンを可視化し、川上・川下への進出余地があるか、同じレイヤーにある別事業へ展開できないかを検討するものです。

具体的な検討方法としては、バリューチェーン全体を書き出し、自社が手掛けていない事業領域の市場規模や成長性、または自社の進出余地があるかどうかを検討していきます。他のアプローチと重複する部分はありますが、事業機会を見落とさない観点からも検討する価値は大きいと考えられます。


以上、本記事では新規事業のアイデア導出におけるアプローチ方法を紹介させていただきました。具体的にどのように進めるかは、企業の業種や規模、検討すべき新規事業の範囲などで異なってくるため、工夫は必要となります。

カタリスでは、世界最古の戦略コンサルティングファーム出身者2名が設立した会社です。戦略コンサルティングのノウハウを活用し、幅広い企業に伴走支援可能ですので、是非お気軽にご相談、お問い合わせください。

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