新規事業の進め方 ~成功する新規事業立案のステップ
新規事業を新たに作り出すことは、ほぼ全ての企業にとっての課題であると思います。一方で、実際に担当チームが事業アイデアを検討し、役員に提案しにいってもなかなか思うように進まないのが実情だと思います。例えば、ある役員から「そんな距離感のある事業へのチャレンジはリスク」という指摘が入ったかと思うと、別の役員からは「新規性がない」などの真逆の反応が出ることよくある話です。
なぜ、そのような指摘が入るのかというと、主には創出すべき新規事業のゴールイメージが擦りあっていないことに原因があることが多いかと感じています。社内の意思決定プロセスを通すことは、ハードルが高いことには変わりませんが、正しい検討ステップを通せば、これまでよりは意思決定に結び付きやすくなると思います。
本記事では、新規事業立案における4つのステップを紹介します。
4つのステップ全体像
ステップ「①目指す方向性の策定」、「②事業アイデアの探索」、「③事業アイデアの絞り込み」、「④事業化詳細検討」の4つのステップとなります。
①目指す方向性の策定
「新規事業」といっても人によって解釈にばらつきが発生します。既存事業における新しいセグメントに進出することと捉える人もいれば、既存事業とは製品も市場も全く関係ない事業を新規事業と捉える人もいます。本ステップがなくても”たまたま”ゴールイメージがあっていればよいですが、通常はそうはいきません。
そのため、本ステップにおいては、「そもそも新規事業とは何を指すのか?」という共通認識を作るところから始める必要があります。
また共通認識を作ったうえで「新規事業を創出する目的やゴールは何か?」という大上段のゴールイメージを設定することが必要となります。
本ステップでそもそもの方向性についての合意ができた上で、②以降のステップに移ることで、社内の意思決定の効率性が大きく変わります。そのため、可能な範囲で最終的に意思決定者を含めて、本ステップの内容についてこの段階で合意をとっておきたいところです。
②事業アイデアの探索
①のステップで方向性が合意できた上で、事業アイデアの探索に移ります。このステップでは発散と収束における「発散」部分に当たります。
具体的には顧客ニーズの起点や、自社の強み起点、PESTといったトレンド・社会課題などの観点から、自社がどのような価値が出せるのかを出していきます。(別の記事で具体的に記載させていただきます。)
ある程度、しっかりとした検討ステップを踏むのであれば、本ステップには人的リソースがかかる部分となり、トレンドや社会課題のリストアップ、顧客ニーズの棚卸し、強みの棚卸し、先進事例調査等を行ったうえで、アイデアだしを行うことが望ましいです。
③事業アイデアの絞り込み
②で導出したアイデアを絞り込むステップとなります。このステップでは発散と収束における「収束」部分に当たります。
具体的には、事業アイデアの評価基準を設定し、それぞれのアイデアを評価していきます。①の目的やゴールと関連する部分ではあるので、絶対的な評価基準はなく、検討背景によって評価基準は異なってきます。しかしながら、オーソドックスな評価軸としては、その事業のポテンシャルがあるのかという「事業魅力度」と、当初設定した目的やゴールを達成できるかという「目指す方向性との適合性」で評価します。
④事業化詳細検討
③でいくつかの事業アイデアに絞り込んだ後、それぞれで詳細検討を行い事業プランを作成していきます。その際、事業概要に加え、事業性や収益性、自社で活用できるケイパビリティ・アセット、獲得必要なケイパビリティ、ビジネスモデルの詳細を詰めていきます。
この詳細検討によって、③のステップの結果とは評価結果が異なってくるかと思います。そのうえで、いくつかの事業アイデアを次のフェーズに進めていくために意思決定を行っていきます。
以上、本記事では新規事業のアイデア立案における4つのステップを紹介しました。
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