新規事業の進め方 ~立案から実行までの全体像

日本市場全体が成長力を欠く中で、新規事業の重要性については、全ての企業が重々認識していることであり、喫緊の課題だと思います。

一方で、「どのように良い新規事業を立案し」、「どのようにローンチ・拡大していくか」については、多くの方が頭を悩ませていることだと思います。

本記事では、まずは新規事業の立案から実行までの全体像を示し、それぞれでどのようなことをやっていく必要があるかを紹介します。

新規事業の立案から実行までのステップ

整理の仕方にもよりますが、新規事業は、「①事業アイデアの立案」、「②実行準備(パイロットテスト等)」、「③実行」の3つのフェーズで成り立ちます。


①事業アイデアの立案

最初のフェーズは、新規事業検討のスタートフェーズであり、様々な事業アイデアを導出し、絞り込み、ある程度具体化し、取り組み方向性を決めるものです。

具体的には、目指す方向性の策定、事業アイデアの探索、事業アイデアの絞り込み、事業化詳細検討というステップに分けられます。(詳細については別の記事で紹介させていただきます。)

このフェーズでは②の実行準備(パイロットテスト)に移行することを意思決定することがゴールとなります。本フェーズでは十分な検討と議論のうえ、候補事業を前に進める意思決定をしているが、候補顧客のニーズは確認しているものの、本当にお金を払ってくれるのかについては検証していません。また、机上では問題ないとしても、本当にプラン通りに事業を回していけるのか、想定していなかったリスクはないか、などの検証するまでには至っていません。


②実行準備 (パイロットテスト等)

第2のフェーズでは、「①事業アイデアの立案」で導出された候補事業に本格的に踏み出すための最後の検証作業をしながら、立ち上げに向けての準備をしていくことになります。

「①事業アイデアの立案」フェーズは机上の空論の段階であり、本フェーズにおいてパイロットテストをすることで、想定とは違う状況に遭遇することや、当初のプラン通りではうまくいかないことを発見することが多いです。

その場合は、①の検討結果に縛られず、適宜修正し、プランを進化させていく必要があります。一方で、実際にやってみて、うまくいかないことが「検証できた」場合には、本格的に資源を投入する前に、やめる決断をする必要があります。

また、本フェーズは深堀検証フェーズであるとともに、「③実行」に向けた準備期間でもあります。パイロットテストは小規模ではありますが、本格実行に向けて人材や資源、また必要に応じて提携先を確保しておく必要があります。

③実行

本フェーズから実際にビジネスを始めていくことになります。もちろん最初から売上や業務やオペレーションが安定するわけではありません。②のフェーズまでで立てた計画を進化させつつ、走りながら考えていく必要があります。

また、②フェーズまでで入念に検証・準備を進めてきたとはいえ、当初設定した計画通りにはいかないことも十分に考えられます。それは計画時に立てた前提や市場環境が大きく変わる、新しい技術が出てくるなど、様々な変化が考えられます。しかし、それがすぐに撤退へとつながるわけではありません。一方でプランの修正や新しい手段を試しても進展が見られない場合、撤退という選択肢も考える必要があります。



以上、本記事では新規事業の立案から実行までの全体像を示し、それぞれの概要を紹介させていただきました。本記事ではあくまで概要の紹介に留めておりますので、次回以降の記事で具体的な進め方について紹介したいと思います。

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