売り手交渉力の6つの源泉
優位に事業を展開し高収益を実現するためには、自社にとって優位な力関係を構築する必要があります。
いわゆる「交渉力」と言われるものです。
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本記事では、引き続き原理原則に立ち返りポーターの「競争の戦略」をもとに、今回は「売り手」の交渉力の源泉を紹介します。
今後の競争優位を築くための戦略検討に役立てていただければと考えています。
売り手交渉力の6つの源泉
1.売り手の業界が少数の企業によって牛耳られている
2. 別の代替製品と戦う必要がない
3. 売り手にとって重要な顧客でない
4. 売り手の製品が買い手の事業にとって重要な仕入れ品である
5. 売り手製品が差別化された特殊製品である
6. 売り手が川上統合に乗り出すという姿勢を示す
1.売り手の業界が少数の企業によって牛耳られている
売り手業界が少数の企業しか存在しない場合、買い手側からすると調達リスクが付きまとうため、供給業者に対して強く出れない傾向にあります。
そのため、供給業者は価格、品質、取引条件の面で強きに交渉することが可能です。
2. 別の代替製品と戦う必要がない
供給業者がどれほど大きく偉大な企業であったとしても、代替製品と競争している限り、買い手に対して強気で交渉することは難しい傾向にあります。
3. 売り手にとって重要な顧客でない
供給業者の売り先が多数の業界であり、ある特定の業界に対する販売に頼っていない場合、その業界に対して売らなくてもよいという選択があるため、供給業者は強気で交渉することも可能です。
逆に特定の業界が、重要な顧客である場合、その企業の経営は同販売先業界によって左右されてしまいます。
そのため、価格をほどほどの水準に抑えるなどして、継続的な取引を持続させる必要が出てきます。
4. 売り手の製品が買い手の事業にとって重要な仕入れ品である
その製品が買い手の生産工程の品質に重大な影響を与える場合、売り手の威力は増します。特に売り手製品が在庫保管できない特性のものの場合、特に売り手は強気で出ることが可能です。
5. 売り手製品が差別化された特殊製品である
製品が差別化されており、仕入先を変更するコストが高い場合、買い手は、売り手を競合させて価格を抑えることができないため、価格面の妥協はせざるを得なくなります。
6. 売り手が川上統合に乗り出すという姿勢を示す
これはあくまで買い手が特定の売り手に依存している場合、調達先がなくなるリスクを示すことによって、買い手に対して優位な条件を受け入れてもらうということです。
以上、本記事では原理原則に立ち返り、ポーターの「競争の戦略」をもとに、売り手交渉力の6つの源泉を紹介 しました。
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