成功するM&A ~タッピング交渉のステップ
タッピングとは?
M&Aの検討初期段階において買収候補企業に対し、その興味度合いを量るための初期的なアプローチ行為のことをタッピングと言います。
タッピングは、M&A検討プロセスの初期段階ではありますが、この段階でアプローチを間違え、候補先からの信用を失ってしまうと、その後の交渉が難しくなってしまいます。
タッピングは、案件に応じてケースバイケースでの進め方になることが多いものの、基本的なステップを抑えておくことで間違ったアプローチは避けられることができます。
タッピングの基本的なステップ
タッピングは以下3つのステップに分けられます
1 交渉方針策定
2 打診準備
3 打診
1 交渉方針策定
タッピングはM&A戦略を実行に移していく序盤のステップとなります。
適切なタッピング先に、適切な提案を行うために、まずはしっかりと交渉の方針固めをしていくことが肝要になります。
1-1 候補企業の選定
まず、この段階では、策定したM&A戦略に基づいた候補先リストが作成されていると思います。
そのリストから、初期的なタッピング候補企業を数社に絞り込んでいきます。
その際、優先順位を決める際の基準を設定したうえで、優先度を定めていきます。
1-2 交渉方針の検討
続いて、交渉方針を明確にしていき、関係者間でGo/No Goの認識を一致させていきます。
具体的には、まず各社との交渉目的を設定し、取得できそうな情報について予めあたりをつけて整理していきます。
その際に撤退基準も明確に定めておくと、関係者間でのコミュニケーションがスムーズに行われます。
2 打診準備
次に実際に打診を行うにあたっての打診内容や資料を準備していきます。
2-1 個社の交渉方針の検討
打診を行っていく候補先ごとに、交渉の論点やアジェンダを検討していき、そのうえで候補先への主張内容をブラッシュアップしていきます。
その際、参加者や提示情報範囲を定めておき、情報が不要に漏れることが避けていくことが望ましいです。
2-2 打診資料の準備
次に、実際に説明資料を作成していきます。先方に提示する資料には明記する必要はありませんが、想定される質問事項に対する答えも事前に用意しておくことが望ましいです。
2-3 アポイント取得・実施
上記の準備が整った(または整うことが見えた)タイミングで、アポイントの取得を行っていきます。
アポイント取得など候補先へのコンタクトは、外部のM&Aアドバイザー等を用いてノンネーム(社名を開示しない)でアプローチし、情報が流出しないようにしていく方がベターです。
3 打診
3-1 初期打診
実際に打診をして、得られた情報や発言を整理し、候補先からの質問事項があれば対応していきます。
3-2 交渉方針の整理・見直し
初期打診も踏まえ、譲れないラインや受け入れられるリスク等、重要なポイントを改めて整理します。
また、交渉相手の状況を踏まえた反応を予測した交渉ストーリーも検討しておくことが望ましいです。
このタイミングで、必要に応じてショートリストの再設定や候補先の優先度を再考も行っていきます。
3-3 交渉の実施・NDA締結
上記の打診結果を踏まえ、具体的な交渉を実施し本格的な協業可能性の検討や、デューデリジェンスに向け、NDAを締結していきます。
以上、本記事ではタッピング交渉のステップついてご紹介しました 。
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