DXで目指すべき方向性 (フレームワーク)
DX (Digital Transformation) という言葉は非常に便利であるものの、その言葉の対象は多岐に渡り、共通認識が得られていないことが多い傾向にあります。
経済産業省(デジタルガバナンス・コード2.0)では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義はしております。
一方で、それが具体的に何を指すのかは本定義からは判断しにくいと思います。
そのため、DX検討においてはよくある失敗として、そもそもDXで目指す方向性の共通認識がないまま検討を進めてしまい「そんなのはデジタル化であってDXでない」などのダメ出しが出たりします。
本記事では、そのような失敗を避けるため、検討の初期段階で重要となってくるDXの目指す方向性についてのフレームワークをご紹介します。
DXで目指す方向性 (フレームワーク)
カタリスではDXで目指す方向性について、DX対象を「新規/既存」×「オペレーション・業務/ビジネスモデルの4領域で整理しています。
① オペレーション改革 (新規×オペレーション・業務)
② 社内業務改革 (既存×オペレーション・業務)
③ 新規事業/イノベーションの創出 (新規×ビジネスモデル)
④ 既存事業のビジネスモデル変革 (既存×ビジネスモデル)
「①オペレーション改革」は、デジタルを通じこれまで手掛けていなかった業務・オペレーションを新しく構築し、業務の付加価値向上を図るものです。
具体的には、デジタルを通じたバリューチェーンの再構築や、デジタルマーケティングの導入等が当てはまります。
「②社内業務改革」は、業務のデジタル化やRPA/AI導入等により、業務の生産性を向上させることが当てはまります。
この領域は人によっては「デジタル化」や「デジタイゼーション」、「デジタライゼーション」と呼ばれることもあります。
なお、一般的に「デジタイゼーション」とは単なるデジタル化であり、例えば今まで紙ベース処理していたものをデジタル媒体に置き換えることが挙げられます。
一方で「デジタライゼーション」は、デジタル化をしたうえで、業務のやり方が変わり効率を上げることを指します。
「③新規事業/イノベーションの創出」は、デジタルを通じ新たな事業を創りだすことや、デジタルを通じたプラットフォームを構築すること等を指します。
DXの事例としてよく例として挙げられるAmazonや、Netflixの事業は、本領域に当てはまります。
「④既存事業のビジネスモデル変革」は、既存事業の枠組みの中でデジタルを活用し、顧客インターフェースを変えることや、マスカスタマイゼーションを実現すること、リカーリング型ビジネスへの転換等を指します。
例えば、アパレル業界で顧客のニーズに合わせてオーダーメイド品を作るなどの事例があります。
また、他に有名な事例でいけばコマツ(建機)のKOMTRAXもこの領域に当てはまると考えられます。
このようにDXといってもその対象とする領域は様々です。そのため検討初期段階において、そもそも「DXで何を目指していくのか」を意思決定者および検討メンバーの中で定め、共通認識を持つことで、手戻りリスクや非効率な検討を避けることができます。
以上、本記事ではDXの目指す方向性についてのフレームワークをご紹介しました。
カタリスでは、世界最古の戦略コンサルティングファーム出身者2名が設立した会社です。戦略コンサルティングのノウハウを活用し、幅広い企業に伴走支援可能ですので、是非お気軽にご相談、お問い合わせください。
料金案内はこちら
戦略コンサルのノウハウ + 低価格な伴走支援は当社だけ