成功するM&A ~M&Aの目的の設定
前回の記事では、M&Aの失敗例に着目し、なぜ企業買収が上手くいかないのか、成功するには何を手掛けなければいけないのかをご紹介しました。
その中で、「M&A戦略が検討不十分で、目的の設定がないまま紹介案件を進めてしまうこと」も失敗例の1つであることをお伝えしました。M&Aを進めていくうえで、まずは目的を設定し、案件化に事前準備していくことが重要になります。本記事では、M&Aの目的についてその類型をご紹介します。
整理の仕方にもよりますが、M&Aの目的は6つに分類できます。
M&Aの目的
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規模の拡大
規模の拡大によりコスト低減 (調達におけるボリュームディスカウント獲得等)やチャネルへの交渉力向上等の競争力強化を目的にしたM&Aです。
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地域の拡大
未進出の国進出の足掛かりとして、販売網、製造拠点、製品、ブランドの獲得を目的にしたM&Aです。
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製品・ブランドポートフォリオの拡充
既存事業の強化・テコ入れや新規事業への進出のために、外部の販売網、ブランド、製品を取り込むことを目的としたM&Aです。
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技術・人の獲得
既存事業の強化・テコ入れや新規事業への進出のために、外部の技術や人を取り込むことを目的としたM&Aです。
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垂直統合
既存事業におけるバリューチェーン機能補完を目的としたM&Aです。
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権益の獲得
資源等の権益の獲得を目的としたM&Aです。
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(参考)その他
配当や売却益を目的とする投資や、経営の自由度を高めることを目的とするMBOなどがございます。
上記①と②については、既存事業の強化を上位目的としていますが、③~⑥については既存事業の強化に加えて新規事業への進出も上位目的として含まれます。
既存事業の強化については、同業種のプレイヤーを買収することが多くなります。そのため既存事業を通じて、競争環境や買収対象の会社のプレゼンスなども、すでに熟知している可能性が高い傾向にあります。そのような中で、買収によって規模の経済やエリア拡大を通し、どの程度の利益向上が見込まれるかをしっかりと数値で把握することになります。加えて、対象企業のアセットや能力について、本当に競争力があるのか、またそれは持続するのかという点も重要な検証ポイントになってきます。
次に新規事業への進出については既存事業と異なり、M&Aにあたって自社が知らない情報が多い傾向にあります。そのため、そもそも論として買収対象の事業性をしっかりと理解し、評価することが重要なポイントとなります。
以上、本記事ではM&Aの目的についてその類型をご紹介しました。
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